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「お願いします。」
互いに礼をして、すぐに始める。
もちろん僕の勝ち。
………のはず、なのに。
打ち込んだ竹刀は当たり前のように弾き返されてしまい、その次に相手の攻撃がくる
返されたことに驚きながらも僕は相手の竹刀を受け止めた。
「っ君、強いね?」
「…あんたもな。」
お互いに言ってふっと口角をあげると再び打ち込む。
そして弾き返されて、弾き返して……その繰り返しだった
「そこまでだ。」
暫く続いているのを見て、決着がつかないと判断したのか土方さんが僕らを止める。
「土方さん……何で、」
「何でも何もねぇだろうが。
これの目的は勝敗をつけることじゃねぇ、あくまでも実力を測るだけだ。」
そうだった。
本来の目的を思い出した僕は何も言い返せなくなる。
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