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俺は改めて男の顔を見た。
金色にも近い茶髪に剃るのを忘れていた。とも言わんばかりの微妙なひげ(これを無精ひげというんだろうか)
右の耳にはキラリと光るピアス。
まぁ、おっさんと呼ぶには少し若すぎる気もするが……。
「どう見ても30ぐらいだろ」
と、正直な感想を口にする。
「なっ」
男は豆鉄砲を食らった鳩(まぁ実際に見たことはないのだが)のように口をポカンと開けて、目をまん丸にして、固まっている。
といっても今回はさっきよりは早く回復した。
「確かに!俺は本当は28だが、まだ20代だ20代!ったく。お兄様と呼びなさい!」
わなわなと。
と言う言葉がピッタリな反応を、始めて現実世界で見た。
っていうか、何。
そのたかが3歳の見栄。
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