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「こーいち!」
思いっきり背中を叩かれた。
「痛いなぁ~…」
背中をさすりながら振り向いた。
まぁ、こんな事するやつはたった1人しかいない。
「宿題見して」
そう言いながらクリッとした眼で俺を見つめてきた。
「はぁ~、やっぱ石田か…」
そう、俺の好きな人ー石田 亜美が。
「そうです、石田です。
なにかご不満でも?」
「…分かったよ
ほらプリントだろ?
てか、お前頭悪い訳じゃないんだし、こんくらい解けるだろ?」
光一はまた深いため息をついた。
「悪くないけど、
良くもないもん!
いいからうつさせて!
小学校からの付き合いだろ!」
「分かったから、あっち行けよ…」
めんどくさそうな顔をして、亜美をおいはらう。
「そんな顔しないでよ!
それよりさ、昨日駅でメッチャイケメン見つけたんだ♪」
…また始まった。
光一は心中で呟いた。
石田はイケメン好き…
というか、男好き…
「でね、声かけたらメアドくれたんだ♪」
「…はぁ!?」
「ほら。」
そう言って亜美は携帯のアドレス帳を開くと、〝平井くん〟と書かれたページを見せてきた。
「…信じらんねぇー
普通声かけるか!?」
正直ただのヤキモチだ。
だけど石田にはそれが伝わってないから毎回
「いいでしょっ!
人の楽しみにケチつけないでよ!」
と、言われるだけ。
石田って、鈍感なのか?
それとも俺が分かりにくいのか?
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