プロローグ

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そこまで観察したところで、黒板に転校生の名前を書き終わったようで永井から声がかかった。 「さあ、二人とも自己紹介してくれ! まずは、そうだな。 天王寺君からだ」 すると、金髪碧眼の方の女子が一歩前に出た。 こいつが天王寺か。 ってか外国人なら日本語話せるのか? そんな疑問を感じていたら、流暢な日本語が聞こえてきた。 「天王寺 カレンです。 今までイギリスの学校に通ってました。 この度、とある都合で王覇学園に通うことになりました。 父は日本人、母がフランス人のハーフなので、このような髪と目ですが、皆様よろしくお願いしますわ」 おいおい。 日本語上手すぎだろ? 下手すりゃそこいらの奴より上手いんじゃねえか、って感じるぐらいの完璧な挨拶じゃねえか。 でも親が片方は日本人で、片方はフランス人なんだろ。 だったらなんでイギリスの学校に行ってたんだろうな? 俺はそんなどうでもいいようなことを考えていた。
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