2005/1/4

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「なっ……! どうしてあなたがゴシンボックリを? あの聖戦は俺と雄平しか知らないはずなのに……」 「あんな遊びのなにが聖戦じゃ。罰当たりな」  美人は深々とため息をつくと、再び着席を促した。  ……ゴシンボックリの名を出されては、邪険にするわけにはいかない。文敏にとって、あの聖戦の名は友情の証なのだ。今度の文敏は、素直にそれにしたがった。 「あの、どうしてゴシンボックリを知ってるんですか?」  聞いておかなければなるまい。  文敏と彼の友人しか知らぬはずのあの遊びを、なぜこの女性が知り得たのか。  すると、女性は意外そうな表情を彼に返した。 「ん? なんじゃお主。覚えておらぬのか? 知ってるも何も、あれをお主に教えたのは私ではないか」 「……へ?」  あまりにも予想外の回答に、文敏の口から奇妙な声がもれる。 「い、いやいや、そんなはず無いですよ。だってあれは俺の夢の中で──」 「マナちゃんが教えてくれたんじゃろ?」  文敏の言葉を遮って彼女が言い放ったそのセリフに、文敏の思考は瞬時に凍り付いた。  そして、一人の少女の姿が彼の脳裏によぎる。  幼き日の夢で出会った銀髪の少女。  不思議な口調が特徴的な小柄の女の子。  ──マナちゃん。  文敏は、言葉を失うしかなかった。 「ふふ。驚いておるようじゃの。申し遅れたが、私は真波──鳥居、真波じゃ。……久しぶりじゃな、文敏。お主にとっは夢で会って以来、私にとっては二年と三日ぶり、か」  そして続けて語られた彼女の話は、驚愕で埋め尽くされていた──。      × × ×  
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