218人が本棚に入れています
本棚に追加
「おーい!嵐―!迎えに来たぞ。学校行こうぜ!」
突然の声に二人はハッとして、声のするほうを見た。
そこには、嵐の幼馴染兼親友の――斎賀流(さいがながれ)がいた。
斎賀家は天聖学園を始めとし、いろいろな分野に幅広く君臨するこの国でトップの企業である。
そこの次男の流だが、どうやら性に合わないらしく自由奔放にやっている。
「流!庭にいる。」
嵐が返事をすると、「おじゃましまーす」と言う声が聞こえたと思ったら、もう庭まで来ていた。
「おはよう、嵐。なんかあったのか?
難しい顔してるぞ?」
「おはよう、流。
いや、何にもないぞ。」
嵐は若干引きつったような笑いになり、誤魔化そうとしたが小さい頃から一緒にいるせいか、流は嵐の微妙な変化を見逃さなかった。
「…うそだな。
まあいい。学校に行きながらでも話は出来るからな。
とりあえず、学校に行くぞ。カバンとってこいよ。」
流はそう言うと、嵐の背中を押してカバンを取りに行かせた。
最初のコメントを投稿しよう!