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「…そうか、本当はまだお前に見せるべきじゃないかもしれないんだが…。
俺のこれを見てどう思う?」
流は手のひらを上にして気を集中させ始めた。
すると、手のひらの上に、空気中の水蒸気が集まっていき、野球ボール大の水の塊ができたのだ。
「!?」
嵐はそれををみて、言葉もなく固まっていた。
「ははは…。驚いただろう?
お前に見せるのは初めてだな。
まあ、これはヒントだな。」
「ヒント…?」
「ああ。
お前の悩んでる顔は見たくないからな…。」
すると少し困った顔の流は嵐の肩を両手で掴み、
「…お前の前世を思い出せ。
その中に答えはある。」
「俺の…前世?
お前も関係しているのか?」
それは秘密だ。と流はウィンクしながらいい、時計を見ると
「おっ!この話はここまで。遅刻するぞ。」
と慌てて走っていく。
「…ああ。」
嵐は納得できないようだったが、遅刻するのは不味いと思い、流のあとを追うように学校に向かった。
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