第一章 奇妙な体験

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「おはよう嵐。 今日も眠れなかったのか?」 と心配そうに聞いてくるのが兄の海斗である。 「おはよう。父さん、兄さん。 二人とも今日は早いな。」 そう答えながら席に着く。 「お前こそ、俺よりも熱心に鍛練するよな。 お前に当主を譲って隠居するのも悪くないな~。 どう思う?海斗?」 「…父さん。 まだ高校生の嵐に面倒くさい事を押し付けて、自分が楽をしようとしてるのが見え見えですよ。」 呆れたように言う海斗。 そんな風景を俺と母さんは微笑ましく思いながら聞いていた。 (この他愛ない幸せが続けばいいな…) など、最近の高校生は考えないかもしれないが、俺は心の底から思った。 そのときには、漠然と自分の運命が変わる事を感じ取っていたのかもしれない。 …この日常が終わりを告げる事を…。
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