第一章 奇妙な体験

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家族そろっての朝食をすませ、ある程度の学校の準備をして時計を見ると7時半になっていた。 家から学校までは、徒歩で20分。 授業はなぜか大学と同じ8時50分からなので、俺はいつも8時10分くらいに家を出る事にしているので、時間が余ってしまった。 (まだ時間があるな…。ケルにエサでもやってくるかな?) ケルとは、嵐が産まれたときから一緒にいる犬である。 エサをもって庭に出ると、匂いをかぎつけてケルが尻尾を振りながらやってきた。 「ケル、お前はエサの匂いに敏感だな。」 ケルの頭を撫でてやると、嬉しそうに尻尾をブンブン振って、ク~ンク~ン言っている。 「ははは。今日も元気そうだな。ほら、エサだぞ。」 エサをやると、エサ皿の中に頭を突っ込んで夢中で食べていたが、急にケルが食べるのをやめ、エサ皿から顔を上げて嵐の後を睨みながら唸りだした。 「ケルどうした?何かいるのか?……!?」 ケルが睨んでいる方向を見ると、そこには綺麗な金髪をなびかせ、神々しいオーラーを発しているスーツ姿の男が立っていた。
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