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「誰だ?ここは敷地内なんだが。用があるなら、玄関のほうに回ってくれないか?」
嵐がそう言うと、男は嵐の方に向かって歩き始めた。それをみたケルが男に飛び掛ろうとしたが、信じられないことが起こった。
ケルの体が空中で止まったのだ。
「ケル!?」
嵐が驚いていると、男が口を開いた。
「ふん。獣ふぜいが今生も主を守っているということか…。ご苦労な事だな。なぁ、ケルベロスよ。」
ケルベロスと呼ばれた瞬間、ケルに異変が起きた。
空中に止まった状態で頭に耳がつき、シッポが生えた見た目15歳くらいの肌黒い少年になったのだ。
「ぐっ、きっ貴様こそ、なぜここにいる!?大神ゼウス!!」
ゼウスと言われた男は、パチンっと指を鳴らしケルの呪縛を解くと、ニヤッと不敵な笑いを浮かべて、
「今日は挨拶をしに来ただけだ。お前の主…」
ゼウスは視線を嵐に移しながら続けた。
「…冥王ハデスにな。だが、覚醒してないと見える。そんな奴には用はない。」
そういうと、ゼウスはその場から消えた。
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