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-ヴァレッタの滝-
「着きましたわね…」
ヴァレッタの滝に着いた私たち。しかし、フェリシアの姿は見当たらない。
「フェリシア居ませんね~」
「油断するな。どこかに隠れているのかも。どこだと思うランド?」
「知るか」
スコットの言う通り。
気を抜くわけにはいかない。
「うわあぁぁぁぁ!」
…誰?
…ああ、ネイサンか。影薄いから気付かなかった。
というかさっきの悲鳴は…?
「フェ、フェリシアだ!」
それを早く言いなさいよ!
と言いかけたけどそんな場合じゃない!
「前線は俺たちが引き受ける!お前らは援護を頼む!」
「わ、分かりましたわ!」
「…後ろは二人に任せましたわ。フェリシア…、潰す」
「ふぅん…、お前らがマグスか。マギでもないやつらが、この僕に歯向かおうなんて美しくないね」
しゃ、喋った?
フェリシアなのに?
「そうそう、僕はフェリシアじゃない…、アルケーだ!」
そういうと
アルケーは持っていた鎌を素早く振り回した。
「ぐわあぁぁぁ!」
「きゃあぁぁぁ!」
「クロエ!スコット!ランド!」
見たことの無い一撃。
前線の四人がやられてしまった…
「あっけないなぁ…、もう少し楽しませてほしいんだけど…」
「あ…、ああ…」
さっきの一撃でエマが怯えている。
あぁ…、モフモフしたい…。
「次は楽しませてもらえるかな…?」
モフモフしたいとか思ってる場合じゃなかった。
アルケーはエマに向かって歩き始めた。
「い…、いやぁ…」
エマは恐怖で足がすくんでいる。
私が…
私がエマを守らないと…
「ま、待ちなさい!私が相手よ!」
「ふぅん…、仲間を守る、美しいねぇ…。なら、お望み通り…」
「ケ、ケイト…」
正直怖い。
体の震えが止まらない。
でも…
今エマを守れるのは私しか居ないんだ…
その時…
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