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「A HAPPY NEW YEAR! 今年もサタナエル様に誠心誠意お仕えさせていただきます! どうぞご贔屓に」
「今年もサタナエル様にとって幸多き年であらん事を願います」
「ふん、堅苦しい挨拶などせずともよいぞぇ。妾達悪魔にとって新年は祝うものでなく絶望に叩き落とすものであるからのぅ」
「まぁ、それはそうですけどー。でもたまにはのんびり過ごしてみましょうよ。アルと相談してどう過ごすか決めたんですよ」
「今回は東洋の『寝正月』とやらを取り入れてみようかと思い、こたつというものを強だ……いえ、調達してまいりました」
「ほぅ、こたつとな。妾も見るのは初めてぞ。どう使うのかぇ」
「なんでも電気を通して発熱させ、暖められた中に足を入れて下半身から温めるとか」
「…………あれ? そういや地獄って電気無いけどどうするんだ?」
「勿論発電するものを用意した。人力で発電出来るとは、かくも便利な世界だ」
「……………………」
「おや、どうしたのだ、シャラ?」
「聞きたくないんだが、アル、あれってもしかして……」
「簡易の人力発電所だ。自転車とやらを漕ぐだけで十分だそうだぞ」
「………………あ、おれちょっ」
「やれ、シャラ」
「…………はい…………サタナエル様……」
◇ ◇ ◇
「いかがですか、サタナエル様」
「うむ、ミカンとやらも意外と美味いな」
「それは良かったです」
「……っ! ……っ!」
「どうした、シャラ?」
「オレに、も、くれよ、ミカン!」
「まだダメに決まっているであろう。ほぅら、まだまだ暖まってはおらぬぞぇ」
「精魂尽きるまでやるがいい」
「新年迎えてもオレは相変わらずこの扱いかよ畜生!」
「「当たり前だ」」
「ハモんなぁーっ!」
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