619人が本棚に入れています
本棚に追加
俺の部屋でいつものようにくつろいでいた蜜葉の携帯が、突然音を出した。
「電話?……あ。千尋じゃない」
千尋ちゃんとは、向こうで一緒にWデートをする子の名前らしい。
「もしもし?」
『……、みつ……?』
切れ切れに聞こえてくる声をぼんやりと聞きながら、俺は本を読み続ける。
『……のね、にち……びの』
「うん」
日曜日のことだろうか。
『……で、……から……だって』
「え?いいの?」
蜜葉の表情が驚きに変わる。
「……うん、じゃあ……うん、お願いするわ」
『あ、……に……って……』
「はーい。じゃあねー」
微笑んだ蜜葉が電話をあっさり切って、くるりとこちらを向いた。
.
最初のコメントを投稿しよう!