4人が本棚に入れています
本棚に追加
/12ページ
『タッタッタッタッ』
遠退いた足音が近づいてくる。
「仁に忍、お前達帰ったんじゃなかたっけ。何か忘れ物でもしたのか」
勇士が気付いて2人に声をかけた。
「垣内さん、戦場さん、巫さん、琴海さん、今すぐにここから逃げて下さい」
「何があったんだよ。落ち着いて説明しろ……」
最後まで言い切ることなく勇士は走りだした戦場に力付くで引っ張られた。
「なにするんだよ戦場。危うく舌を噛むところだっただろうが」
「うっせぇぞ。いい加減に自分で走りやがれ底辺が」
「だから、なんで走らないといけないんだよ」
「バカか。前から分かっていたつもりだったけど、それ以上だなお前」
「そうそう、私もそう思うよ。それ以前に、なんで舌を噛み切らなかったのか疑問になって仕方がないんだけど」
「ボクも琴海の意見に同意します。特に後半部分を」
追い付いてきた琴海と巫が好き放題言う。
「死にたくないからに決まってるろうが」
「バカってところは否定したいんですね、垣内さん」
4人を先導する忍が冷静に指摘する。
「スゴーい、自覚症状があったんですね」
更に仁が煽る。
そんな事をしていると、いつの間にか外壁が見えてきた。
「お、おい、なんで外に出るんだよ。俺は、国王に報告しなきゃいけないんだけど」
「はい、これ」
未だに状況が把握できていない勇士に仁は一枚の紙を渡す。
「えーっと、これは、手配書。なんだよこれ、絶対おかしいだろ」
突然大声をあげて固まる勇士。
そんな勇士の手から手配書を奪い取り目を通す戦場。
最初のコメントを投稿しよう!