すぐそこである。

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「そないに坂本は広い視野をもっとんのか?」 「今はまだなんともいわれへん。 でも、これから龍馬が外国相手に商売やるんはしってんねん。 これを使わんとくなんてもったいないやろ?」 樹梨はニヤリと笑った。 「ほーか…ならこれは俺からの餞別や。 大事に使いや!」 と赤い風呂しきをさしだした。 「なんやこれ?」 「無事逃げきれたときの楽しみや。 まだあけたあかんで。 ………せや、もう出る用意できたやろ? 30数えたる。」 山崎がそう言った途端、樹梨は音もなく去っていった。 .

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