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「明らかに人殺しの道具だよな。」
小平太が言った。
「まあ、それもそうだな。」
仙蔵も納得した。
「……後輩が可哀想。」
長次までそう言った。
「お前ら、会計委員はギンギンに戦う会計委員なんだ!10キロ算盤の何がわ…「だからどうした。」…。」
俺の言葉は仙蔵に遮られた。
「お前は、いつも人の言葉を遮りやがって!」
「フッ…お前みたいなのが喋ったところで何も得しないだろう?」
仙蔵の何かと俺に絡んでくる。サラストだからってなんだ!
「文次郎…お前も私と一緒に裏裏山までランニングしないか!?」
「小平太、完璧にずれてるよ。」
小平太は小平太で妙な事を言い出したが、悪くはない。その事について考えていると、留三郎が笑いながら口を開いた。
「仙蔵の言葉には賛成だな。文次郎みたいなのが喋ったところで誰も喜ばないからな。」
留三郎の言葉には仙蔵と違った嫌味が含まれている。だから、その場の勢いで思わず突っかかる。
「何を言う!お前が喋るといつも説明口調じゃないか!」
「んだと!?」
いつも通り掴み合いの喧嘩なった。すると伊作が「二人とも止めなよ!」と言って止めに入るが流石は不運。俺と留三郎の喧嘩に巻き込まれてケガをした。
カッ、俺達の間に図書の貸し出しカードが飛んできた。長次だ。
「……人の部屋で喧嘩するな。」
無言でジロリと睨まれたので俺達は喧嘩を止めた。
とりあえず、
「10キロ算盤で人殺しなんか俺はしないぞ。」
それだけは分かってもらいたい。
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