<<中学時代>>編

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俺は自分の筆箱からシャーペンの芯ケースを取り出して、 そのままサトミの机に置いた。 サトミは俺を見て口だけで「良いの?」と聞いてきた。 俺は黙って頷く。 サトミはシャーペンの芯を一本取り出して、ノートを少し干切った。 そして俺に芯ケースとノートの切れ端を渡してくる。 ノートの切れ端には可愛い文字で 「ありがとう」と書いていた。 俺は少し照れた。 まだ厨房で女ともちゃんと話せない奴だったので 何も言えなかったんだ。
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