第一部~日記①~

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妻を、そして新たな命を守り抜くと誓っていたから。 医師はそれを見て満足げに頷くと、彼をカーテンの中へと導きました。 「……申し訳ないが我々には手が及ばず、全く理解できませんでした。」 「……グズッ…ァウ、バァ~」 そこのベッドに気持ち良さげに沈んでいる、1人の赤ん坊。 間違いなく、愛しの我が子。 ですが。 「こ、これは……」 その子には、見るからに人間と違う形がありました。 「……角…か?…」 本来なら抱きしめて包み込む柔らかな額の先に、小さな突起が存在しているのです。 「これが何であるかは全くの謎です。そしてこの角には……触れる事が出来ないのです。」 「触れる事が出来ない?」 男が聞き返すと、医師は黙って試して下さいと言わんばかりに赤子を指し示します。 その手に導かれるまま彼は、恐る恐る突起へと手を伸ばしました。 --ヒュオッ 「なっ!?」 ですがそこへ伸ばした手は、赤子に触れる前に「何か」に遮られた感覚を彼へと伝えてきました。 届かないのです。 目には見えない「何か」のせいで、我が子の肌に触れる事が叶わないのです。
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