どら猫達と帰り道。

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キーンコーン… 「雅~一緒に帰ろ~!」「うんっ」 私は高校1年生の森下・雅(もりした・みやび)内気で人見知りな性格です。 そして友達木下・理彩(きのした・りさ) 明るくて可愛くてモテモテな女の子。 「…ねぇ…また居るよ…あの不良達…。」 そう静かな声で理彩は言った。 そこには傷だらけでちょっと恐い二十歳ぐらいの不良4人組が居た。 最近帰り道に見掛ける。「恐いね…早く行…。」早く行こと言いかけたら理彩が私の制服の袖を掴んできた。 「…理彩??」 「お願いっ、雅追い払って来て!!」 そんな無理矢理な事をお願いしてきた。 「…!!そんなこと出来るわけ…っ」 …ドンッ… 私が言いかけたときに 理彩が私の背中を押してきた。 「…っっわ!?」 そして私は不良の輪の中に突っ込んでしまった。あわてて理彩の方を向くともう理彩は帰っていた。(…どういうこと… 理彩…。)何だか無性に悲しくなった。 「…大丈夫?」 そう言ったのは黒髪に整った顔をし、所々に傷がある不良4人組の一人。私は恐かったが、不良達の見せた幻のような優しい笑顔に何故かホッとしてしまった。 「だ…大丈夫ですっ… すいませんでしたっ、いきなり突っ込んじゃって…。」 「いいよっだってやったの雅じゃないでしょ?」また優しく言った。 「…って何で私の名前っ。」 「だって理彩ってゆー奴が雅って呼んでっからさ。」 「…そうだったんだ… それよりっ!…何でいつもここに?」 「前雅が捨て猫見て泣いてるの見てさ。」 …確かに前猫拾って家に連れて帰ったらお父さんに戻して来なさいって言われて…それが悲しくて…「…でもそれと何の関係が…??」 「…何かさ…そこで一目惚れしちゃって…それから雅を守ろうと思って。いつも帰り道にいんの。」
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