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-貴殿を解雇とする-
会社で、この掲示板に張り出されている、この紙面を見た瞬間、一人の人間の人生は、終わりを迎えた。 ガックリとうなだれ跪く、密かに聞こえる、悪魔の囁きのように聞こえる、ヒソヒソ声が敏感に脳の中を貫く。 昨日までは、何事も無かった職場の雰囲気も『解雇』の二文字だけで、場の空気が変わる
リストラの対象となった黄金 為雄(こがねためお)は、国立の一流大学をストレートで卒業し、卒業と同時に現在の会社に入社、まさに順風満帆と言っていい程、いい人生を歩んで来たが、黄金は、このリストラに些か、納得は出来ていなかった
[今まで頑張っていた努力は、なんだ?]
[何か、悪い印象を与えたのか?]
そればかりが頭を過ぎり、自分の心を重くするだけになる
(また仕事を探さなきゃな・・・)
この不景気の最中、仕事という物は、易々と見付けられる物では無い。 また、この間の就活期間が、長くなる。 失業保険での生活だけだと、またすぐに生活資金の底が着いてしまう。 黄金は悩みながらも、自分のデスクを整理し、誰に何を告げる訳でも無く、足早に去って行った。 黄金は、これからの時間を、どうやって行こうか考えた。 すると、新装開店のパチンコ屋で、時間を潰そうとしたが、一万円札一枚が早々と無くなったのは、言うまでも無い。 黄金は、期待していた臨時収入が消え、コンビニで、おにぎり一個とお菓子と飲み物だけで今夜を過ごす事となった。 明日からは、真面目に就活に専念をする、そんな思いを抱きながら、黄金は眠りに就いた
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