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「うわぁ! おばあちゃん、いきなり出て来て、ビックリしたぁ」
「お客さん・・・ これが欲しいのかい?」
「あっ、いゃ、何か古ぼけて埃まみれだったのが、気になって」
「埃まみれになるのも、当たり前じゃよ。 このゲーム、この店の創業以来、誰も買い手が居ないんじゃよ」
黄金は、店主の老婆の話に同情こそはするが、商品の古さを気に掛ける
「おばあちゃん、今は、コンピュータの時代だから、こういう物を買っても、ただ邪魔になるだけだよ」
しかし、店主の老婆は、自信あり気に、黄金に商品を勧める
「お客さん、この人生ゲームは、ただの人生ゲームでは、無いのじゃよ・・・」
「ただの人生ゲームじゃない・・・?」
黄金は、その言葉を聞き、少しだけ興味を示した
「この人生ゲームは、作ってるオモチャメーカーさんが、市場に出ている人生ゲームを作ってる裏で、極秘に作り出した、決して、日の目を見る事の出来ない代物じゃよ・・・」
それを聞いて、黄金の購買意欲が沸き始めた
「おばあちゃん、これいくら?」
「おやまぁ~・・・ これを買うのかい?」
「希少価値のあるゲームなら、欲しくなって、しまいますよ」
「・・・ これは、通常一万円する所だけど・・・ アンタみたいな若い客に免じて、三千円にまけてあげましょう」
「本当に?」
「アンタみたいな、目を輝かせた若い人を見てたら、思わず値引きをしてしまったよ」
黄金は、希少価値のあるゲームを三千円で買えるという喜びで、胸が一杯になり、店主の老婆に、お金を支払い、足早に自宅の方へと向かう
「毎度、ありがとう・・・」
店主の老婆は、深々と黄金の背中を見送りながら、礼をした
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