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雨 真っ暗な空から 静かに落ちる 雨 まるで誰かの涙を 隠しているかのように まるで誰かの心を 洗い流すかのように 静かに ただ静かに 止め処なく落ちる 雨 窓の外に光るネオンの光を 幻想的に変えた刹那 徐々に消えていく 思わず手を伸ばした先には 何も残らなかった 名残惜しく伸ばされたままの 左手を濡らした 雨 見上げた都会の夜空は 驚く程に明るくて 部屋の中にいる筈の 私の顎先から一粒落ちる 雨      
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