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リディアに連れられて歩いていると、
彼女の息子だとわかったロールイスがしきりに私の事を気にしてきます。
「何か用ですか?ロールイス。」
私は足を止めて振り返って後ろについてくる彼に尋ねました。
「……何なのだ貴様は?」
私が何なのか?
はて、彼には私がどう見えるのでしょう。
神の力を振るい、十神の一角であるリディアと親しげに話す人間ですね。
少なくとも私の魂が神のモノであるとわかったなら教えてあげても良いのですがね。
「私は神谷 聖夜です。
何なのかと聞かれたら、人間、ですね。」
私は面倒なのでそう答えます。
「嘘だ、人間が神以上の力を持つなどありえない!」
やれやれ、これだから若すぎる神は…
神話の時代…
レイバルが存命だった頃には「神殺し」とよばれる人間は何人か存在していたんですよ。
「そんなに気になるなら私と「彼」の対談の場に同席してみてはどうですか?」
「彼?」
訝しげに私を見てきますね。
リディアには彼で通じたので失念していましたが若い神には通じなかったようですね。
「彼とは現・神王。
我が盟友の大神ゼウスですよ。」
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