弟たちの行方

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「盟友? ゼウス様と貴様が…」 「話を聞けばわかるでしょうから少し黙っていてもらえますか? 私も久々に彼に会うので楽しみにしているんですよ。」 私はそう言ってリディアを見ます。 「ついたわよ。」 リディアはそう言うと巨大な門の前に立っていました。 神王の執務室の場所を変えたんですね。 以前は別の場所にあったと記憶していたんですがね。 「よく来たな。」 ノックもせずに扉を開いて中に入ると赤髪の青年がそう声をかけてきました。 彼がゼウスです。 「久し振りですね、ゼウス。 あの後はどうなりましたか?」 あの後…とは、 勿論レイバルが死んだ後の事です。 「ふん、 よく俺の前に姿を見せれたモノだな。 お前のせいで大変だったんだぞ。」 ゼウスは不機嫌そうにそう言ってきます。 「大変だった? おかしなことを言いってくれますね。 確か引継は終わっていたはずですが?」 「おかしいのはお前の頭だ! お前がやるはずだった仕事は未だに残っているんだぞ! お前の処理能力と俺達の処理能力の差を考えてから死ね。」 やれやれ、ひどい言い種ですね。 「それが久々に会った友への言葉ですか? 私は悲しいです。 あの純粋だったゼウスは何処へ行ってしまったんでしょうか?」 そう些かオーバーに言ってみます。
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