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「ふむ、召還か。
お前の探し人は余程強い魂を持ってるようだな。」
ゼウスは難しい顔でそう返してきます。
「まぁそうですね。
世が世なら神にも匹敵する力を持った魔王になっていたでしょうからね。」
「魔王の素質を持つ人間か…
新しい魔王として召還されたか。」
「いえ、勇者の召還に巻き込まれたと言うのが正しいですね。
彼の友人に勇者の素質を持つ私の愚弟が居ますからね。
いや、面白い関係でしたよ。」
私は思わず笑ってしまいます。
「お前の弟が勇者で、それに巻き込まれた魔王か。
なんともおかしな関係だな。
そう言うことなら良いだろう。
ブックの観覧を許可する。」
ゼウスはそう言ってライブラリーに入る為の鍵を投げてきます。
「有難う、ゼウス。
ところで部屋の場所をかえたようですね。
何故ですか?」
執務室の場所がかわった事について聞いてみます。
「お前のせいだ!
床にこびり付いた血液がとれんのだ。
何とかしていけ!」
ゼウスはいきなり怒鳴ってきました。
まったく相変わらず短気ですね。
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