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「もう少し順序だてて説明して下さいよ。
急すぎてロールイスが理解できないでしょう。」
私はゼウスに非難の眼差しを向けます。
「急も何もお前の説明なんてレイバルとだけ言えば充分だろ。
今は人間の神谷 聖夜だったか?
それでもお前の本質は絶対神レイバルだ。
これはお前の記憶と力がある限り変わらない、変えられない事実だ。」
まったく勝手な言いぐさですね。
それでは人間としての私を否定しているではないですか。
「まぁ、人間になって変わったことはあるな。」
ゼウスは私が何かを言う前にそう続けて言います。
「…なんですか?」
だいたいの見当はついています。
「お前が愛を知った事だ。
引き換えに最善では無くなったがな。」
愛? 私が?
確かに最善では無くなった事は自覚していましたが、愛を知った? どういう意味でしょうか。
「ん? その顔はわからないって顔だな。
お前でもわからない事が有るんだな。
俺の言葉の根拠は、お前が知人を探しているという事だ。」
あぁ、なる程…
「以前の私なら知人が居なくなっても何も行動しなかった。
だから私の心が変わったと言いたいんですね?」
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