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馬鹿馬鹿しい。
そんな事で私が愛を知ったなどとは…
「ゼウス、耄碌(もうろく)するにはまだ早いですよ。」
私はそう言って溜め息をつきました。
「相変わらず酷いな。
昔のお前なら俺やリディアが居なくなっても何の行動もしなかった。
そんなお前が知人が居なくなったから行動すると言うことは情に目覚めた。
つまり人間を愛し始めたということだろ。」
まったく思い込みが激しいのは昔から治っていないようですね。
「誤解ですよ。
神の世界とは異なり人間の世界は知人が居なくなるだけで暮らし難くなるんですよ。
まぁ私の行動理由は、私の人間としてのライフスタイルを崩したく無いからですね。
ん?
まぁ、愚弟よりもその友人を優先にしたのには情に流された部分もありますがね。」
彼は玲二に振り回されていましたからね。
見ていて凄く哀れでした。
「むぅ、まぁお前が他人が原因で動くだけでも大きな進歩だ。
そうしておこう、うん、そうしよう…」
鬱陶しいですね。
「そろそろ私はライブラリーに向かいますから話は此処までにしましょう。
ではまたいずれ顔を出しますね。
行きましょうロールイス。」
私はロールイスの腕を掴んでゼウスの部屋から出ていく。中から「仕事を手伝ってけ!」と聞こえてきましたが、私は気にしません。
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