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「ならばこのロールイスをお供させて下さい。」
ロールイスはそう言って頭を下げてきました。
「何故です?
魔神族の眷属が相手とはいってもこれは神が手出しするような問題ではありません。
人間の問題に神が手を出す事の方が問題になりますよ?」
そう、神は人間や意志のある生命の運命に干渉してはなりません。
だからこそロールイスの発言は不思議でなりません。
「確かに仰るとおりです。
しかし私は貴方の事をもっと見ていたいんです。」
私を見ていたい?
何でしょう、寒気がしてきました。
「わ、私を見てどうするつもりですか?」
若干声が上擦ってしまいましたが仕方ありません。
みえよりも貞操の方が大切です。
「私は未熟です。だからこそレイバル様のお姿を参考に腕を磨いていきたいのです。」
な、何だ、ただの参考ですか…
危うくそっちの趣味なのかと…
いや、これは失言でした。
「まぁ、わかりました。
ただ私が参考になるとは思えませんがね。」
私はそう言うとロールイスの反論を聞かずに目的地へのゲートを繋げます。
「行きましょう、ロールイス。」
「…はい。」
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