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「いないなら仕方ありませんね。
因みに私の弟はどちらに?」
城に居るなら帰る帰らない別として一応会っておいた方が良いでしょうしね。
「勇者殿なら既に魔王討伐の旅に出た。
彼なら必ずや魔王を倒してくれるだろう。」
ふむ、やはり居ないですか。
勇者の資質を持つ弟なら普通の魔王なら勝つことができるでしょうが…
魔神族の眷属が魔王と関係しているか調べることにしましょう。
「わかりました。お時間いただき有難うございます。
私はこれで失礼させていただきます。」
そう言って退室しようとしたとき、
兵士から槍を向けられました。
「…これは何のまねですか?」
私は振り返って国王にたずねます。
「今勇者殿が居なくなっては困るのだよ。
勇者殿が君の世界の魔法を知らないならば君がこの世界に来ていることを知られることはない。
悪いが勇者殿が魔王を倒すまで牢でおとなしくしていて貰おう。」
はぁ、そういうことですか。
「残念ですがお断りします。」
私はそう言うと膨大な神力を体から解放します。
人間にとって神力は神聖なるもの。
本能が神力を持つ私を傷つけることを止めます。
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