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それは魂に神によって刷り込まれた絶対の盟約。
神という名の世界の調律者に背く者を出さないためのルール。
神力と対になる力を持つ悪魔と、
私という“異端者”を除けば全ての魂を持つ者が神力を持つ存在に逆らえない。
「な、何者なんだ貴様…いや、貴方は。
そんな力…私は知らない。」
国王が冷や汗を流しながら聞いてきます。
しかしどうしましょう。
私は神の生まれ変わりです…
言葉にすればそれだけのことですが…
何だが痛い人間が言いそうな台詞ですね。
事実ですが、神と違ってその事を確かめるすべを知らない人間に言ったところでどうしようもないですね。
まぁ、ここは適当に…
「私は単なる魔法使いですよ。
では国王、ご機嫌よう。」
そう言い残し、私は謁見の間から出ていきました。
「よろしいのですか?
レイバル様に牙を向けた人間を始末しなくても…」
謁見の間から出た後、ロールイスがそう聞いてきました。
「良いんですよ。
己の欲の為に勇者の身内を犠牲にしようとする。
なかなか面白いではないですか、人間の欲というものは。」
私は思わず笑みを浮かべてしまうのを堪えながら答えます。
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