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突然オレの家へと現れた桃色の髪を持った不思議な女の子。
その子は一瞬だけ不思議そうな顔をした後、強気そうな瞳でオレを睨んだ。
びっくりして肩を揺らせば「しっかりしろ!!」とリボーンに蹴られた。
「だ…………誰!?」
思い切ってその女の子に尋ねてみれば、その子は何かを考えるようにして視線を反らす。
何か後ろめたい事でもあるのだろうか。……まさか殺し屋とかじゃないよな。
「あたしは――日奈森、亜夢だけど」
少しだけ照れ臭そうに頬を染めながら、女の子は名前を教えてくれた。
亜夢ちゃんか……マフィア、じゃないよね? そんなことを考えていると、リボーンが亜夢ちゃんへと近づいていった。
「亜夢か……てめぇ、どこのファミリーの者だ?」
突然そんなことを尋ねたからか、話し掛けて来た相手が赤ん坊だったかは分からないけど、亜夢ちゃんは目を丸くしていた。
それからまた宙へと視線を移す。さっきから何かを探すように視線を動かしているけど、なんなんだろ。
「(ラン達はたまごの中にいるのかな……)」
右手を唇に当て、眉間にシワを寄せて亜夢ちゃんはまた何かを考える素振りを見せる。
ガタッと何かが動くような音が部屋に響く。オレが肩を揺らすのとほとんど同時に、亜夢ちゃんも肩を揺らす。
「なんのこと?」
やっとのことで口を開いた亜夢ちゃんが発した言葉に、安心する。つまりマフィアとは関係の無い子だという訳だ。
「そーか……。じゃぁお前は何処から来たんだ?」
「何処からって……知らないけど」
知らない? 本人が知らないなんてことは無いと思うんだけど。
亜夢ちゃんの言葉にリボーンはイラッとしたのか、突然亜夢ちゃんに拳銃を向ける。
「いッ…………!?」
「ざけんなよ。本当のことを話しやがれ」
「…………」
拳銃を突き付けられているからか、亜夢ちゃんは結構素直に話してくれた。
亜夢ちゃんの話を聞くと、気が付いたら此処にいた……ということらしい。
よく分からないけど……そんなこと言ったらリボーンにどつかれそうだし、やめておこう。
「……てか、あんた達こそ誰なわけ?」
もっともです。
人に名前を聞いといて、自分は名乗らないなんて失礼すぎるよな。
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