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「外にいる女の子って誰なの?」
未だに少し興奮している様子の獄寺君に向かって問い掛けてみる。
相変わらず眉間にシワを寄せたままだけど、チラッと外を見てから口を開いてくれた。
「空から降ってきた知らない奴なんですけど……めっちゃムカつくんで果た「ダメだから」
最初の方は落ち着いて話していたけど、だんだんイライラしてきたみたいで最後の方は凄く早口だった。
もう一度落ち着いて、と言ってからよく考えてみる。……空から落ちてきた? 亜夢みたいだな。
「ちょっとその女の子に会わせてくれる?」
「ダメです。あんな無礼な女を十代目に会わせる訳にはいきません!!」
「い、いいから」
何故か猛反発する獄寺君の反対を押し切って、外に出てみる。
キョロキョロと辺りを見回すと、そこにいたの亜麻色の髪をした可愛い女の子だった。
その子は大きな瞳で俺のことを見ると、小さく首を傾けた。
「じゅうだいめぇ」
俺の後ろからヒョコッと顔を出して獄寺君はその女の子のことを睨む。
女の子がそれに対してどう反応するのかと、横目でその子を見てみる。
女の子はふぅ、と大きく……というかわざとらしくため息をつくと、負けずに獄寺君を睨み返した。
この子も気の強そうな女の子だなぁ。亜夢といい勝負だと思う……。
「…………えっと、君の名前を教えてくれるかな」
獄寺君に向いていた視線が一瞬にして俺に向く。
大きい目がスッと細くなって俺をジッと見つめる。
「…………あんたこそ、誰なの?」
「ッ――てめぇ、十代目になんて口聞いてんだ!!」
「ご、獄寺君。落ち着いてってば」
女の子の言葉に反応して獄寺君が掴み掛かろうとする。少し目を離すとスグにこうなるんだから。
「俺は沢田綱吉だよ」
「――――で?」
――――……!?
俺……名前聞かれたんじゃなかったのかな? 誰、って聞かれたから名前を言ってみたんだけど。
少しパニックになっていると、獄寺君の怒号が聞こえてきた。また女の子に掴み掛かってるみたいだ。
てゆーか……今にもダイナマイトを出しそうな勢いなんだけど。
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