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銀色に近い髪の短髪の少年と、金色に近い髪のショートカットの少女が並んで歩いていた。
少女の方は、右手に買い物袋を持っていた。
つまり、買い物に行った帰りなのであろう。
「ふふッ――」
自分が持っている袋をちらっと見ると、少女は嬉しそうに微笑みを浮かべる。
「お兄ちゃんは、チョコケーキとショートケーキ……どっちがいい?」
「む……オレは別にどっちでもいいのだぞ?」
お兄ちゃんと呼ばれた少年は、胸の前に拳を構えてニカッと笑う。
「それに……」
「――――……?」
「オレはこれから少し走ってくるつもりなのでな」
腕を組んで、1人で何度も頷く少年。
そんな少年を見て少女は、また嬉しそうに微笑む。
「頑張ってね」
「うむ」
少女に返事を返し、少年は走りだす。
少年が曲がり角を右へと曲がると「うわッ」という少年の小さな悲鳴が聞こえた。
「どうしたの!? お兄ちゃん!!」
少女が急いで曲がり角の先まで行くと、少年は倒れていた。
しかもその上には、金髪の少年が倒れている。
「あ……えっと――――ごめんなさい」
金髪の少年はアホ毛をピョコンと揺らしながら少女の兄の上から降りる。
「むぅぅ……」
銀髪の少年は頭を押さえながら立ち上がる。
「お前は誰だぁぁ!!」
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