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「お兄ちゃん・・・」
少女は今にも鳴きそうな声を出した。
「雪奈、周りを見るな」
「でも・・・」
そう、少女と少年が走りゆく先には焼け焦げた人、バラバラになった人など、様々な人が倒れているのだ。
「もう少しで家に着くから頑張ろ?」
そう言って、少年は少女の頭を撫でた。
「うん」
少し笑顔を取り戻した少女は明るい声で頷いた。
※※※※※※※※
「そろそろ家に着くぐらいだよね?」
「うん、そろそろだよ」
少女のといに少年は答えた。
「え?」
といきなり少年から声が漏れた。
「なんで・・・なんで家がないの?」
少年は唖然とし、一言呟いた。
すると、
「お前たちは森守一族か?」
と声が聞こえた。声の聞こえたほうには黒いロープを着た男がいた。
更に、その声には殺気が籠もっており、少年達は恐怖から声を出すことも、動くことも出来なくなった。
「応答なしか・・・。ではその反応はyesと取り排除させて貰おう《ホーリーランス》」
そう呟いた直後、少年達に光の槍が飛んでいった。
ガキン
と音が響くと周りの鉄や岩、木片などが少年達を光の槍から守る。
「雪奈、蓮大丈夫か?」
「ほぉ~、貴様はまだ生きていたようだな?」
黒いロープが声を発する先には銀髪の20~30歳辺りに見える男がいた。
しかし、その男は衣服が所々破れ、傷を負っていた。
「お前、俺の子供達に何をする!?」
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