プロローグ

9/12
前へ
/87ページ
次へ
「やって貰いたいこと?」 少年は泣きそうになるのを堪えて聞いた。 「ああそうだ。蓮にやって貰いたいことは..雪奈を守ることだ」 と真剣な顔をし、少年の顔をまっすぐ見て言った。 「..雪奈を守ること?」 今、何故このタイミングで言うのかは少年は理解出来なかった。 「ああそう、雪奈を守ることだ。蓮はお兄ちゃんだから出来るよな?」 と少年を諭すように言う。 「うん、わかった。お父さん、お母さんは?」 少年は父のいったこと了承して、母の居場所を尋ねた。 「お母さんは..死んだんだ」 と悲しみに満ちた表情で言った。 「え...嘘だよね」 嘘であって欲しいと思いながら少年は聞く。 「本当なんだ」 切ない表情で蓮に父は言う。 「うぇーん」 少年、そして横にいる少女は緊迫感+悲しみでついに泣き出してしまった。 「蓮、雪奈泣くな。事実なんだ。それにもう時間がない。やつが来る。今さっき言ったことは蓮、お前しか出来ないことなんだ。だから頼む」
/87ページ

最初のコメントを投稿しよう!

126人が本棚に入れています
本棚に追加