姫君は気高く美しく

3/9
前へ
/9ページ
次へ
だがそれは見た目だけ。 実際は… 「いつまでそんなカッコしてんのよ朱鷺…」 呆れた声で呟く姫に朱鷺(トキ)と呼ばれた少女(仮)はやれやれと肩を竦める。 「僕だって好きでこんな格好してる訳じゃないんだけど…」 急に低くなった少女の声は男性のそれと全く同じ。 それもそのはず 「男なのに持女なんかするのは誰の為だっての」 バサリと脱ぎ捨てられた着物から現れたのは黒い着流し。 同時に長かった髪の下からは赤黒い短い髪が現れた。 少女というにはふさわしくない、というより朱鷺は最初から男だったのだ。
/9ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加