姫君は気高く美しく

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だが戦乱の世は思うようには進まない。 八雲が抱えた文の山は政略結婚や側室の縁談話ばかり。 17となった紫華は本来なら嫁に行っていても可笑しくない年だというのに未だ拒み続ける為に毎日の様に届く文。 拒む理由は八雲であるのに、その八雲が眉間に皺を寄せつつ文を運んで来るのだから可笑しくてしょうがない。 そしてそんな問題よりももっと厄介なのが朱鷺が持って来た文 火急の報せだと告げるそれを手にした紫華。 八雲との言い争いが嘘のように静かになった部屋で文を読む紙の音だけが耳に届く
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