第2章 彼の双眸がオレを捕らえたなら

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「片倉(カタクラ)ー」 自分を呼ぶ声。 視線を向ければ、同じ陸上部員が立っていた。 「ミーティング始まるぞー」 「おう」 片手を上げ答え、そちらへと向かった。 部員と部室へと歩きだす。 「つうか、寒いのによくやるなぁ…」 「走ってるうちに暖かくなんじゃん」 「そうだけどさ…あっ、ほら雪」 「ん?」 上を向けば、舞うように雪が降ってきた。 「本当だ…」 練習は外から中へと変更だろう。 ちょうどよかったのかもしれない。 もう彼はいないのだから…。 .
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