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「聞いてるの?恭(キョウ)」
幼なじみ(と言いたくないのだが)の総(ソウ)の声にオレの意識と視線は舞い落ちる雪から漸く離れた。
「いや、全然」
抑揚の無い声で答えれば、総の眉間に深いしわができた。
「少しは生徒会副会長としての自覚を持ったらどうなんだい?授業もちゃんと」
アンタはオレの保護者か何かか?
その言葉は飲み込んだ。
そう言ってやったらきっと、ニッコリと微笑んで「保護者だよ」と言うに決まっている。
「自覚もなにも…ちゃんとした副会長がいいんなら、オレなんか指名しなきゃよかったんじゃねぇの?」
皮肉たっぷりに言ってやった。
生徒会長は選挙で決まるのだが、後の役職は会長の任命で決まるのである。
まぁ、断ることも出来るのだが…。
「はぁ…相変わらず、君の世界は歪んだままなのかい?」
「一生歪んだままだよ」
掃き捨て、イスから立ち上がり、ひらひらっと手を振って生徒会室を出た。
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