第1章 空を掴むその手にオレが望むものは…

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ゆっくりと歩く。 視線を上げれば、見慣れない制服を来た男女が玄関に向かって行く。 「…今日入試だっけ?」 忘れていた。 中坊に紛れて帰るのもなんだかうざいな…。 「たくっ…」 オレは踵を返した。 ふと視線を窓の外、中庭へと向けた。 そこには、学ランを着た少年が立っていた。 オレは足を止めた。 少年が手を広げたから…。 その手には雪が降りる。 .
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