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『戦争はゲームでもスポーツでもない』
これを説いた作品は過去にも多くありましたが、
『故に決着の付け方が難しい』
事に言及した点。
『(家族や仲間を)殺されたから殺す』
綺麗事でない生の感情。
人として、ある意味正しい感情でありながら、何処で断ち切らねばならない『負の連鎖』を生みつづける。
それは主役さえ無関係ではいられない。
その中で悩み足掻く姿は新鮮でした。
1stでは、悩みつつも最後まで独自の主張や行動を起こす事なく、最初に属した組織に仕え続けた主要キャラ達。
本作では、多くのキャラが、自身の経験から自身の判断で独自の選択肢を選んでいます。
戦場を去る者、残る者
独自の道を歩む為、既成の組織を捨て、新な組織を作る者
それは現実には難しく、リアルとは言えない選択ではありますが、ある種のカタルシスを感じずにはいられません。
それは、誰もが一度は夢見た『理想的』な生き方だからでしょう。
『生きる事の方が戦い』
重い十字架を背負い、自らの命を懸ける事で、全ての決着を着けようとした主役の一人。
ややもすると自己犠牲を美化しかねない描写が多い中、仲間のこの一言が重みを持つのです。
本作は、後のシリーズで顕著になる説明不足や裏設定の乱立を抑え、伏線のほとんどに本編で回答を出しました。
心理の変化の過程と、それに伴う周囲との関係性の変化を描き、各々の成長の物語としても見応えのある作品です。
まさに『平成の1st』と呼ぶに相応しい良作といえます。
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