42人が本棚に入れています
本棚に追加
玄関に行ってみると左之が門の下に立っていた
ただ立って居るだけなのになんなんだあの色気は!
頬をパンッと叩き左之に近づく
「左之!!」
「おう♪やっと来たか。さっさと行こうぜ」
そういって私の手をとり歩き出すのは左之にとっては普通の事
でも私にとっては至福の時間
好きな人と手を繋ぐのがこんなに嬉しいことだなんて思わなかった
「美紀?花でも見て行くか?」
私達は人里離れた草原に来ていた
「うん!私は左之といられるならどこでもッ!」
バッと口を隠し、自分が口走った事をどう誤魔化そうか考える
「…美紀?」
「いッ、今のはその違うの!!左之が連れて行ってくれる所はどこも良い場所だからって意味で!その…」
必死に誤魔化そうとする私を左之は優しく見つめ
「俺もお前と居れるならどこでもいいと思っちまう。でもやっぱり好きな女には楽しんで欲しいしな」
そう言って私を優しく抱きしめる
珍しく左之の顔が赤く染まっている
「そっか…ッて!えぇぇぇぇ!!今、何て言ったの左之!」
ガバッと真っ赤になった顔を左之に向け嬉しさのあまり涙目になりながら見つめる
「だから好きな女だって言ったんだよ。気づいてなかったのか?」
少し驚いた顔で小首を傾げる左之に怒り気味に
「わかるわけないじゃない!!なんで言ってくれないのよ!?」
「お前が他の奴を好いてると思ってたからなぁ。お前を困らせるのも嫌だったし」
「そりゃ、みんなとは仲良くしてるけど左之とは全然違うし…私が好きなのは左之だけだもん///」
左之の背に腕を回し大好きと呟く
左之もまた腕の力を強め美紀を抱きしめる
「お前だけだ俺をこんなに本気にさせたのは。お前を一生守ってやる。誰にも渡さない。」
左之の言葉が胸に染み込む
私は涙を流しただ頷くことしかできなかった
そんな私を左之は優しく頭を撫でてくれた
最初のコメントを投稿しよう!