zero

2/2
2921人が本棚に入れています
本棚に追加
/145ページ
  人目につかない、ある廃工場。 小型の銃を持った、やや小さめな少年と、その隣に倒れている血で染められた少年。 そして、2人を中心に円を描いて囲う3人の少年。 1人は、倒れた少年にすがりつきながら泣き 1人は、拳銃を持っている少年に殴りかかり 1人は、殴っている男を必死で止めている しばらくして、殴ることをやめた少年。 殴ることを止めた少年は、拳銃を持っている少年に言った。 「…お前は総長失格だ。もう俺達の前に2度と現れるな。」 拳銃を持っている少年はニヤリと笑って後ろを振り返り、3人と反対方向の道へ歩きだした。 後ろを振り返った瞬間、少年の頬に伝った水。 拳銃を持っている少年が歪んだ顔をしながら静かに泣いていたのは誰も知らない。…はず。  
/145ページ

最初のコメントを投稿しよう!