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「私なら全然大丈夫。そんなに気にしないで、香茅ちゃん」
「うん……じゃぁ、くれぐれも火には気を付けて。何かあったら直ぐに私か真一に電話してね?」
「母さんっ!」
「香茅、あんまり要らん心配はするな。内心、二人は俺達が居なくなることに浮かれてるんだから」
真一は露骨にニヤニヤとしながら真也と空海を見た。
空斗は相変わらず五月蠅いが真一はとても楽しいからそんなことは知ったことではない。
香茅はまだまだ純粋であるから頭にクエスチョンマークを大量に保有しているが真一はそれも敢えて放っておいた。
「早く行けっ!」
「はいはーい」
最後まで真一は真也の言葉を軽くかわした。
日帰りで済む仕事を1泊2日にしたことは空斗には内緒だ。
家には今日、真也と空海の二人だけとなる。
「やっぱりさ、幾つになっても人の恋愛っつーのは見てて楽しい物だな?」
「悪趣味……」
「良いじゃん、良いじゃん。俺は真也と空海は……ま、結構お似合いだと思うぜ?」
真一は言葉を濁す。
香茅はそれを特には疑問に思わずに聞き流した。
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