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半ば強引に話が進んで、僕は何だか疲れてしまった。
渚の突拍子もない提案はいつものことなんだけど…昼にあんなの見ちゃったから、何か変な影響受けてそう。
『(まさか…そういうこと、するつもり…?)』
渚はと言えば、珍しくぼんやりと考え事をしている。
…僕はまさか今日、貞操を奪われるのだろうか。
『シンジくん?着いたよ』
『ぇ…あ、ごめん』
色々考えてたらいつの間にか渚の部屋の前。
…ヤバい。今更緊張してきた…
『シンジくんどしたの?もしかして具合悪い?』
『ぇ、あ、いや、大丈夫!//ごめんごめん!//』
心臓がヤバい。
渚が近くに来る度にドキドキする。
何で?僕、渚のこと友達としか思ってないんじゃなかったのか!?//
部屋に通され、座って、渚が話を始めても。
僕のもやもやした気持ちはずっと渦巻いていた。
『…でさ、シンジくん。学校での話の続きなんだけど』
『ぁ…うん//』
『あの2人がしてたのってセックスだよね?』
『…そ、そうだね//でも僕らには関係ないだろ?//』
『だって僕らにそっくりな2人がセックスしてるんだよ?ちょっとは意識しちゃわない?』
『そ、そりゃ…ちょっとはね!//でも彼らは彼らだし僕らは僕らだろ!?//』
『だからそういうことじゃなくて…ん~…何て言ったらいいんだろ』
納得がいかないという顔の渚。
必死に言葉を探してる。
何だよ、何を言いたいんだ…?//
すると渚は何か閃いたようで、僕に近付いてきた。
ちょ、何で近付いてくるんだよ?//
近い近い…っ!//
そんな近付いたら…!//
『一番わかりやすい方法考えついたから、これで伝えるね』
《ちゅ》
『…ッ!!//』
渚の唇は意外と柔らかくて、温かくて…じゃないっ!//
『な、何するんだよっ!//』
あまりに恥ずかしくなって渚を軽く突き飛ばす。
きっと今の僕は、顔も耳も真っ赤になってるに違いない…//
ちらりと渚を見れば、苦笑してこっちを見ていた。
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