【3】心、身体、重なって。(貞)

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『だって一番わかりやすいかなって』   『わ、わかるワケないだろっ!//何でキ、キスなんかするんだよ!//』   『だからー、僕もシンジくんとそういうことしたいの。それぐらい好きってこと』   『そ、そういうことって…//』   『セックス』   『…!//』     渚の声色が変わった気がした。 真紅の瞳が、僕を捕らえて放さない。     『シンジくん…僕、シンジくんのこと好きなんだ。トモダチとかじゃなくて、コイビトとして』     渚はまた僕に近付いてきて、今度はぎゅっと抱き締める。   華奢な割に抱き締める腕の力は強くて、心臓の音がはっきりと聞こえる。     『なぎ…っ//』   『僕、もうガマンできない…シンジくんとセックスしたい』   『…ッ…!//』     耳元で熱を孕んだ吐息と共に、切羽詰まった声でそんなこと言われたら…   耐えられる方がおかしいと思う…//   ましてやそれが、好きな相手なら尚更だ…//   …僕はもう、覚悟を決めた。     『なぎ、さ…//』   『…シンジくん?』   『…き』   『え?』   『も、もう言わないぞ!//ちゃんと聞いてない渚が悪い!//』   『ちょ、シンジくんごめんって!もう一回~!』   『うるさい!//渚のバカっ!//』     渚への気持ちを認めてしまった安堵感と恥ずかしさで、僕はもう渚の顔を直視できなくなっていた。   とりあえずベッドに上がって枕を投げつけ、布団を被って落ち着こうと努力してみる。   …けど、逆にそれが裏目になったみたいで。   ギシ、とベッドのスプリングを軋ませて渚が上がってきた。 後ろは壁。 当然僕に逃げ場はない。   自分で袋小路に逃げ込んでしまった…//     …すると渚が布団をべろっとめくって最終確認をする。     『…シンジくん、いいの?』   『…聞くな!//バカっ!//』     それを聞いた渚は安心したのか、布団の中に入ってきた。   僕は恥ずかしくて、相変わらず渚に背を向けていた。  
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