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いつもと変わらない朝だった。
まだ眠い目を擦りながら、僕…碇シンジは早くも欠伸をしていた。
『眠いなぁ…』
そう零して机に突っ伏した僕に、騒々しい声が降りかかる。
『おっはよー!シンジくん!』
このうるさいのは…渚。渚カヲル。
去年転校してきて以来、僕にばっかり絡んできて…正直、どう対処したらいいかわからない…
『…うるさいよ、渚…眠いんだからほっといて…』
『えぇ!?眠いって、今は朝だよ!?リリンは起きる時間だろ!?起きろー!』
また訳わかんないこと言ってるし…だからリリンって何だよ…
…前に渚に聞いてみたら、たぶんいつかの記憶が混じってるんだよー、なんて言って。
…ますます頭痛がしたのでそれ以上は聞かなかった。
『もうリリンでも何でもいいから…寝かせて…』
『ちょ、シンジくん!?寝ちゃダメだよー!シンジくんが寝ちゃったら僕はどうしたらいいのさー!』
知るか、と言おうとして顔を上げてみると、渚の顔がすぐ側にあって焦った。
『うわぁぁぁっ!!?///な、何でそんな近いんだよっ!?//』
『あは、やっと起きてくれたー☆おはよ、シンジくん♪』
僕の動揺とは対照的に、ニコニコしながら挨拶をしてくる渚。…僕の寿命を縮める気か!全く…//
キーンコーンカーンコーン♪
そうこうしてる間にチャイムが鳴ってしまった。
担任のミサト先生が入ってくる。
『みんな、おっはよー☆さぁて、今日はなんと!転校生が来てるわよ~ん♪』
へぇ…転校生か。
去年の渚以来だな…今度はもっとおとなしい人がいいなぁ…なんて考えてたら、ミサト先生が僕と渚を見て笑いながら言う。
『あ~…特にそこの2人はびっくりするかもよ~ん?』
『へ?どういう意味ですか、ミサト先生』
『もしかして僕達のドッペルゲンガーだったりして』
渚の突拍子も無い予想に『そんなバカな』と言おうとした僕だったが…
ミサト先生の『あら、大正解♪』という肯定の言葉にすっかり固まってしまったのであった…
…そして、ガラガラと教室の引き戸が開いた…
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