プロローグ

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「拾ってくれてありがとう。部活大丈夫?」 「…部活入ってないけど」 「そうなの?こんな時間に校舎にいるからてっきり…」 「それよりこのプリントの山、アンタ一人で運んでんの?」 「えぇ、先生に頼まれたからね」 「こんな量を?」 「うん、別に一回で持っていかなくていいって言われたけど…。しないといけない事もあったから…」 だから無理して一回で運ぼうとしたのか? 「ゴメンね、つまんない話しちゃって…。プリントありがとう♪」 俺が集めたプリントの山を受け取ろうとする女の子。 今自分が持ってる分だけでも女の子にはつらいはずだろうに… 「俺が運ぶよ。アンタそれだけでも重いだろ?」 「えっ?でも用事あるんじゃ…」 「アンタが気にしなくても大丈夫だよ」 そう言ってプリントを持ちあげた。 「でも…」 「わかった。じゃあ職員室まで行って聞いてくるよ」 「……プッ、わかったわ。案内するからついてきて?」 女の子は笑いながらそう言って歩きだした。 俺も歩きだす、プリントはちょっと重かった…
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