1  -繰り返される毎日-

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「お、ぎりぎり」 自転車をまたいで今にも走りだしそうな態勢で玄関から出てきた俺を稜がニヤリと笑いながら言ってきた。 「あと2秒遅れてたら置いていったのに」 何とも薄情な友達だよ……。 「置いていかれると足が無くなるからな」 「俺はお前のアッシーか?」 違うけど否とも言えないな。 「だって俺、自転車持ってねーもん」  「ったく。綾兄に頼めよ。自転車くらい買ってくれるだろ?」 「家に置いてもらってるだけでも充分だよ」 「ま、いいや。取り敢えず早く乗れよ。置いてくぞ?」 「わ、待って待って。」
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