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「ワイの名前は伊達 刀矢(だて とうや。年齢は18、荒人と同じや。そして、お前の幼馴染にして大親友!」
不敵な笑みを浮かべ、刀矢は俺を見る。
こんなエセ関西弁が親友なのか、そもそも俺が記憶を失ってることを知ってる時点で怪しい。
「覚えがないな。それに……」
「言いたい事はわかっとる。盗み聞きしとったから事情は知ってて当たり前や」
刀矢は俺が言わんとしていたことを先に読んでいた。
得意げな顔をする刀矢に姫夏はあきれている様子だ。
「いつから聞いてたの?」
「最初からや。ただ割り込むタイミングが見つからなくてまいったで」
なかなか手癖の悪そうな奴だ、と思いつつも俺はこの空気に懐かしさを感じていた。
その心の変化に気づいたのか、姫夏と刀矢が俺の顔見ている。
「何かしたか?」
「いやいや、何か思い出したんちゃうか? って思っただけや」
「特にないな。ただ、懐かしいような気がした」
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